水系への環境放出基準

IAEA TECDOC-1000では総量で規定されています。

Q.ICRP Pub94の9.3節では下水処理場での医療系核種の集積が議論されています。
これまでのわが国の規制では、下水への排出基準は、それを直接摂取するシナリオが考えられ、濃度限度で与えられてきました。
しかし、高濃度の排水をごく少量排出するのと、低濃度の排水を多量に排出するのを比較すると、下水処理場の作業者等の曝露を考えると後者の方が寄与が大きくなるように思われます。
国際的にはどのような考え方が示されているのですか?

A.
IAEA TECDOC-1000「医療,産業及び研究における放射性核種の使用によって生じる物質のクリアランス」(1998)では、排水(や排気)の基準は、年間あたりの放出量で定められています。
このうち医療系の核種は、下水処理場の作業者等の外部被ばくを抑制するために年間放出量の限度値が提示されています。
その放出限度値は
Ga-67: 1E8 Bq/y(6.7E10 Bq/y)
Sr-89: 1E9 Bq/y(3.5E9Bq/y)
Y-90 : 1E9 Bq/y
Tc-99m: 1E9 Bq/y(2.2E12 Bq/y)
I-131: 1E7 Bq/y(7.4E10 Bq/y)
Tl-201:1E8 Bq/y(7.4E10 Bq/y)
となっています(Table IV)。
()内はアイソトープ協会の医療放射線管理の実践マニュアルの年間最大使用数量設定例です。
なお、TECDOC-1000で示されている値は下水汚泥コンポスト由来の被ばくは考慮されておらず、汚泥コンポストを用いている場合には評価シナリオを見直すべきとしています。

下水汚泥コンポスト

生活排水処理系汚泥のコンポスト化について

記事作成日:2009/12/22 最終更新日: 2016/04/27