PETにおける看護師の役割

放射線診療でも看護師の役割は重要です。
納得して業務につくためには自分たちで放射線の量を計測することも有用でしょう。

近畿大学高度先端総合医療センター(PET診断部門)
山本久美子、高橋麻起子、萬谷愛、梶谷純子、青木宜子

近畿大学医学部附属病院に隣接する高度先端総合医療センター(PET診断部門)は平成17年10月に設立されました。
PET検査はもちろん、医療放射線に関わった経験のない看護師ばかりでのスタートでした。
私たちの業務は 
○ 放射性薬剤(FDG)の投与
○ 検査の流れの説明・ご案内
○ 介助が必要な方へのサポート
○ 検査室の環境整備
が主になります。
しかし、放射性薬剤を使用するので、投与が終わった受診者に接すればそれだけ被ばく量が多くなってしまいます。開設当初は「いかに職業被ばくを減らせるか」が大きなテーマとなりました。 
○ 1日の勤務でどのくらい被ばくするのか?
○ 1人の受診者から(投与から検査終了まで)どのくらい被ばくするのか?
○ 自動投与器を使うと1回の投与でどの位被ばくするのか?
○ 遮蔽板の効果はどの位あるのか?
○ ストレッチャー上でおむつ交換したときは?
などなど、いろんな状況下で被ばく線量を測定してきました。
現在1患者あたり0.18μSv、1看護師あたり1日平均1.99μSvの被ばく量で、月単位では大きな変動はありません。職業被ばくの目安は年間20mSvですから、十分安全領域だと言えます。
最近ではPET検査の重要性がますます高まり、当院でも毎月受診者が増加しています。全体数が増えればそれだけ重症者の数も増えますし、看護師が介助をする機械も増えることになります。それでも「①ADLの自立した方からの被ばくは限りなくゼロに近づけ、②要介助者からの被ばくは最小限にしつつ必要なケアを提供、③1人のスタッフに集中しないように」と日々意識を持ちながら従事し、被ばく量は上記のような低水準を保つことが出来ています。

職業被ばくについてはさておき、私たちが現在取り組んでいるテーマは
「受診者の方により安心・安全に検査を受けていただくために何が出来るか?」
4~5年前に比べればPET検査はかなり日本の医療に浸透したといえると思いますが、現場ではまだまだ「PETなんて初めて聞いた」「これ、なんの薬?」という声は多いな、と実感しています。事前説明をもう少し充実させて「よくわからないけど、恐い検査をうけにきた。」という方が1人でも少なくなるように。また、不安をお持ちのまま来院された方でも丁寧なオリエンテーションを行うことで、安心して検査を受けていただけるように。と、ささやかでも、「私たちにできること」を探している毎日です。

研修案内

放射線医学総合研究所 放射線看護課程
小西 恵美子.看護師に対する放射線安全教育
国立保健医療科学院 【専門課程Ⅲ】地域医療安全管理専攻科

関連記事

妊娠中にRIの静注業務を行っていました

医療機関でのデータ

PETにおける医療従事者の被ばくの実態(山形済生会病院)
PET 検査における放射線業務従事者の被ばくの変化(岩手医大サイクロトロンセンター)

医療機関での試み

PET検査のための投与台および車椅子用遮へい体の作成
静岡県立総合病院静岡PETイメージセンター

ストレッチャーや車椅子の患者さんのPET検査の依頼を原則として受け付けていない例

千葉県立がんセンター
PET-CT医療従事者の被曝軽減への協力依頼について(独立行政法人国立病院機構 四国がんセンター)
新潟県立がんセンター新潟病院
徳島大学付属病院
検査までの時間が他の検査に比して長いため、介助が必要だと思われる患者さんに対しては原則としてどなたかの付き添いをお願いします。付き添い時には少量ですが被曝を伴うため、その旨事前にご説明願います。

東京女子医大付属病院

検査を受けるに当たっての注意事項
3 同日の他の検査、診察
周囲への放射線被曝を抑制するため、PET検査終了後2時間あけてください。
4 鎮静や介助を要する場合
移動に介助が必要な場合は、介助に伴う被曝(胸部単純X線撮影一回分程度)について同意が得られた介助者(患者御家族あるいは依頼主治医関係者)を準備して下さい。鎮静が必要な患者には、撮影中における約30分間の完全な体動抑制ができるように担当医師が同席し、鎮静処置等が行える準備をお願いします。

PET施設内線量モニタリングの例


PET医療現場の放射線管理

PETサマーセミナー

PETサマーセミナー2010 in 岡山

夜の学校 看護

座長 澤田 房子 (武田病院画像診断センター)  山本久美子 (近畿大学高度先端医療センター) 
 【一般演題】   
「PET検査時のセデーション 閉所恐怖症対策の試み」
 若狭 真樹 (公立松任石川中央病院 PETセンター) 
「当院における被曝低減対策への取り組み」
 立花 陽子 (九州大学病院) 
「FDG自動投与器使用演習を含めた、看護師・放射線技師合同被曝勉強会の効果」
 鴨田 玲子 (東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター) 
「PET検査における看護師の被ばく低減に向けた取り組み」
 鶴井 徳子 (中電病院 PET・検診センター)
「PET/CT被検者の看護の標準化看護の向上と被曝低減の両立を目指して」
 井上真佐子 (四谷メディカルキューブ)
【企画演題】   
「放射性薬剤自動投与器について」
 遠藤 晴子(千葉療護センター)
「FDG投与時における私たちの工夫 -快適な検査と自分たちを守るために-」
 福内 由美(セントラルCIクリニック)   
【企画セッション】
「FDG投与器においてのトラブル~企業への要望・質問を中心に~」

記事作成日:2010/01/20 最終更新日: 2016/10/21