灌流画像検査法(perfusion CT imaging)での過剰照射例

医療機関が独自のプロトコールを設定した際のミスによる過剰照射であるようです。

FDAからInitial Notificationが出されています。

問題の概要:
脳卒中の診断と治療で使われるperfusion CT imagingで放射線の過剰照射事例をFDAは察知した。
18か月にわたって、ある特定の医療機関の206の患者が通常レベルの約8倍の線量を受けた。
最大でも頭部への線量が0.5Gyであるべきところが、これらの患者は3-4 Gyの線量を受けた。
ある症例では、過剰照射のため脱毛や紅斑が生じた。
この施設では、過剰照射を受けた全ての患者に追加の情報の提供先を連絡している。
この事象は、一つの施設のある一種類の診断手技で起こったが、
過剰照射の程度と影響を受けた患者のインパクトは、significantである。
この状況は、CTの品質保証プログラムのより広範な問題を反映しており、この医療機関や特定の画像手技(CT brain perfusion)に固有の問題とはできないのかもしれない。
通常レベルよりも高い放射線を受け、かつ、放射線障害を明らかに起こすレベルには達していない場合、問題は気付かれず、報告もされないまま、患者に長期放射線影響のリスク増加をもたらすかもしれない。
患者はCT検査を受けるべきという医師の推奨には従うべきである。
不要な照射は避けるべきであるが、医療上必要なCT検査は放射線リスクよりも大きな利益がある。

医療機関への推奨:
FDAは全てのCT検査を行う医療機関にCT protocolsのreviewをencourageする。
control panelに通常表示される線量に注意することをencourageする。
表示される線量はCTDIvol(CT dose index)、DLP(Dose length product)である。
それぞれの撮像プロトコールを選んだ際には、患者のスキャン前に、注意深くcontrol panelに表示される線量を確認しましょう。
過剰照射を防ぐために、表示される線量がこのプロトコールに対応した線量となっているか確認しましょう。
この作業は患者を照射した後にも再度行いましょう。

FDAの活動:
FDAは、この事例の情報を関係団体とともに収集し、潜在的な公衆衛生上のインパクトを理解しようとしています。
FDAが問題の本質を理解するのに有益な情報を得ることで、より大きなリスクがあるかどうかをよりよく判断できるでしょう。
これらの情報は利用可能になった段階でお知らせします。

報告の問題:以下略

出典

FDA.CT Brain Perfusion Scans Safety Investigation: Initial Notification

JIRAから注意喚起がなされています。
頭部X線CTパフュージョン検査を実施の皆様へ

文献

Is Computed Tomography Safe?

Rebecca Smith-Bindman. Is Computed Tomography Safe?.www.nejm.org June 23, 2010 (10.1056/NEJMp1002530)

CTと被曝─ベル麻痺の患者が急性放射線障害

長瀧重信.CTと被曝─ベル麻痺の患者が急性放射線障害.日本医事新報.No. 4499(2010年7月17日号).2010

装置の設定の問題はないが頭部X線CTパフュージョン検査で脱毛した例

ICRP publication 102 Managing Patient Dose in Multi-Detector Computed Tomography (MDCT)

Fig.2.1 Bandage-shaped hair loss(リンク先はドラフトです)
図のオリジナルは、Yoshimasa Imanishi , Atsushi Fukui, Hiroshi Niimi, Daisuke Itoh, Kyouko Nozaki, Shunsuke Nakaji, Kumiko Ishizuka, Hitoshi Tabata, Yu Furuya, Masahiko Uzura, Hideto Takahama, Suzuo Hashizume, Shiro Arima and Yasuo Nakajima.Radiation-induced temporary hair loss as a radiation damage only occurring in patients who had the combination of MDCT and DSA. European Radiology, 15(1), 2005, 41-46

記事作成日:2009/12/22 最終更新日: 2017/03/28