CTスキャンとの新しい付き合い方
New Era in CT scanning

現実の課題と向き合うことが放射線診療への信頼を得るためにも求められます。

8つの医療機関で400人以上の患者がCTスキャンにより放射線に過剰に曝露しました。
多くの患者で 脱毛や皮膚障害が発生しました
この中には、2歳未満の小児が通常の150倍の照射を受けた事例がありました
CTスキャンは1972年から利用され始め、既に長い歴史があることから、この技術は安全だと考えられてきました。
従って、これらの過剰照射事例はこれまでにない新しい状況をもたらすものです。
高度な技術を使う放射線治療ではソフトウエアの問題が深刻な事故を招くことがこれまで繰り返し報告され続けてきました。
しかし、製造会社、放射線科医、診療放射線技師は、これまで問題を起こしてこなかったCT装置でも、このようなことが起こるとは想像していなかったのです。

今から6年前は、CTスキャンで患者が事故的な照射を受けることや皮膚に障害を受けることを見いだすのは容易ではありませんでした。
レントゲンによりX線が発見されてから、およそ115年たちますが、現在の放射線防護の関心事は、百年前に戻ってしまったかのように思われます。
この事態は、X線が安全であると考え始められ、医療従事者の中には、そのことに満足していたものもいた50年間 (1930’s から 1980’s)に引き続いて起こった事態なのです。

ここ最近の関心の高まりは、放射線の眼に見える影響(皮膚障害)によります。
しかし、CTスキャンがここ20年間にニュースで取り上げられていたのは、 主としてがんなどの潜在的な晩発的な影響でした

CTスキャンを含めて医療でのX線の利用が大きな便益をもたらすことは強調されてしかるべきです。
その利益は全体としてリスクを上回ります
残念なことですが、事故など起こらないという安全への幻想は修正する必要があります。そして、現実と向き合うことが公衆の信頼を取り戻すのです。

製造販売会社は彼らが寄与すべき役割をより自覚しており、毎年、線量制御に工夫を凝らしたCT装置の製造を競っています。
これがよいサインである一方、CT装置での想定したとおりに使われず、上に述べるような事故を、最近、引き起こしたことから、迅速で緊急な注意を彼らの取引先に向ける必要があります。
製造販売会社は FDAの求めに対応して、新しい放射線の線量チェッカーを提供することを求められています。この線量チェッカーは、医療機関や画像センターによって決められた線量レベルを超えようとした時に操作者に警告するものです。
放射線の線量の上限の警報(あるいは注意)は、スキャンパラメータの設定にエラーが生じるかもしれないときに操作者に伝えるものです。
この仕組みは、CTスキャンの事故を防ぐのに役立つでしょう。

最近のメデイアでの報道リンク

http://articles.latimes.com/2010/aug/03/local/la-me-stroke-scans-20100803-21
http://www.radiologydaily.com/daily/diagnostic-imaging/perfusion-ct-scan-overdose-accusations-fly
http://www.sott.net/articles/show/213014-New-Details-Emerge-in-CT-Scan-Radiation-Overdose-Scandal
http://abclocal.go.com/kabc/story?section=news/state&id=7528863

この記事の出典(この記事の著作権はIAEAにあります)

New Era in CT scanning, IAEA

IAEAからのお知らせ

AAPM Releases Recommended Default Notification and Alert Values for CT Scanners

NIRSの取り組み

各医療機関でのCT撮影条件の設定に役立つWAZA-ARIv2の本格運用を開始 -様々な体格・年齢の患者に対応、国内のCT被ばく線量の統計データの収集も可能-

記事作成日:2010/08/31 最終更新日: 2016/09/12