正しい応答が得られるまでの時間の目安です。
最終指示値に対して時刻tでの応答は、時定数をτとしたとき、
1-exp(-t/τ)
で与えられます(τ時刻での応答は最終指示値の63%になる)。
測定対象量が細かく変動している場合にサンプリング時間が短い場合には、時定数を小さくしないと、サンプリング時間内の応答が正しく得られません。
サンプリング時間内で測定対象量が一定の場合には、サンプリング時間に対応して時定数を長くした方が変動を小さくできます。
このように時定数の設定はトレードオフの関係にあるので最適化が求められます。
時定数って何ですか?
2010 年 2 月 23 日線量の種類は色々あるのですか?
2010 年 2 月 21 日頭のエックス線CT検査を受けました。
エックス線CT検査として、
・40mGy
・1mSv
という値を提示されました。
どちらが正しいのでしょうか?
値が大きい方を用いるべきじゃないかなあ。
その方が安全側ぽいし。
線量の種類が異なっておるのじゃ。
どういう風に?
40mGyはエックス線ビームが直接あたった頭の部分の線量じゃ?
1mSvは全身での線量の受け方を示しておる。
強いビームがごく局所にあたるのと弱いビームを全身に受ける場合を統一的に扱おうとしておるのじゃ。
リスクの評価は?
各臓器に受けた放射線の量を基に各臓器でのがんのリスクを考えてそれを全体で合算することがお勧めされておる。
面倒だね。
単純には実効線量を用いればよいじゃろ。
ただし、年齢によってリスク係数は最大で数倍異なっておる。
そんなの薬の影響と同じで臨床医は当然考慮するじゃん。
あまり複雑な指標を使ってもしょうがないと思う。
ところで、よく200mGyを超えなければOKって聞くけど、
5回、エックス線CT検査を受けたら、駄目と言うこと?
そんなことはない。
200mGyは、それだけの線量であれば事実上リスクは無視できるということで用いられておるようじゃ。
放射線診療は、多少リスクがあっても、有益性がそれを上回れば行うが合理的じゃ。
また、ここでの200mGyとは低線量の上限という意味で用いられておるので、実効線量である200mSvと考えてよい。
リスクが無視できるって本当かなあ。
きちんと疫学調査したらリスクを検出するんじゃないの?
かなり難しい話じゃ。
バックグラウンドでのがん死亡リスクが10%の集団で、
放射線の過剰リスクが10%/Gyであるとすると、
検出力80%、有意水準5%を確保するために必要な標本サイズは、
線量が100mGyの場合6,400人とされておる。(ICRP Pub.99)
検出力ってなあに?
真の差をきちんと見つける確率じゃ。
80%だと10回疫学調査すると2回は本当にある差を見つけられん。
有意水準って何だっけ。統計の授業で聞いた気もするけど。
本当は差がないのに間違って差があるとする確率を5%以下にするということじゃ。
100個の研究があると5個も間違えちゃうのか。
なんだか疫学はいい加減だなあ。
例を示そう。
原爆被爆者における固形がん罹患率:1958-98 年
Radiation Research 第168 巻、2007 年7 月号
の表9じゃ。

5-100mGyだと過剰発症割合は81/27,789=0.3%じゃ。
なかなか微妙なデータだね。
この差を検出するのは事実上不可能じゃ。

やはり疫学研究の意義は乏しいのじゃないかなあ。
そんなことはない。
不確実性に伴う限界をきちんとわきまえて使えば有益な情報が得られる。
皆さんも質のよい疫学研究への協力依頼があったときには是非前向きに検討されてくだされ。
NICUの医師や看護師が受ける線量
2010 年 2 月 20 日新しい部署での仕事はどう?
少しは慣れたかな。
赤ちゃん相手に頑張っています。
何で異動になったの?
NICUがセンター化されて稼働割合があがったみたい。
スタッフの負担が増えたので、集められたのよ。
スタッフ全体で支えておるのだな。
放射線部の技師さんも毎日、ポータブルエックス線撮影に来るのよ。
保育器の赤ちゃんを検査の度に放射線部まで連れて行くのは大変そうだもんね。
検査の時には、鉛の防護エプロンをしているのよ。
NICUのはデザインもなかなかよいと思うけど、ちょっと心配なことがあるの。
何が心配なの?
鉛の防護エプロンは胸とお腹しかカバーしていないのよ。
でも、検査の時には赤ちゃんを手で抑えているの。
だから、手に放射線があたっていないかちょっと心配なのよ。
赤ちゃんのX線写真にお姉ちゃんの手が写っていなかったら、放射線にもあたっていないということなんじゃないの?
ちと、それは甘いかなあ。
最近は画像はデジタルなので、保存する画像はトリミングされておる。端は切り取られるので、保存された画像だけで判断するのはよろしくない。
指の線量は簡単にモニターできるので、付きそう回数が多ければ、線量計を付けるのもよいのではないかな。
放射線モニタリングって、管理区域の中だけで十分なんじゃなかったっけ。
でも回数が多いのよ。
大分県立病院のNICUに1994年1月から1999年9月に入院した2,408 症例を対象にした調査は、ELBWI-a児では入院中にNICU内で平均して約26回のX線検査を受けていたことが明らかになっておる(*)。
エックス線診療室以外でもNICUなどでは、相当量の検査が行われているのではないかな?
エックス線室以外でも放射線を出してよいんだ。
病室でポータブル撮影することもあるわ。
でも件数は一日だと病棟全体でも百件程度と少ないみたい。
厚生労働省からは、在宅でのX線検査も大丈夫って通知があるって院内勉強会で習ったわ。
線量はどの程度になるのかな?
新生児胸部X線での入射表面線量は0.2mGy程度だろう。
直接線が手指にあたったとすると、
1日5件で1mGy/日、
1週間で5mGy/週、
3月間で65mGy
年間だと260mGyか。
手指の年間の線量限度は500mSvだから、その半分程度にとどまるようだな。
mGyとmSvで単位が違うみたいだけど。
皮膚の線量限度は等価線量で与えられておるから、単位はmSvになる。
等価線量と吸収線量はどう違うの?
等価線量は臓器全体の平均吸収線量に放射線加重係数をかけたものだよ。
エックス線だと放射線加重係数は1だよね。
だとすると、局所の線量と平均の線量の違いか。
安全側に評価していると言うことになるが、放射線部の人以外は気にしなくてよいと思う。
必要な画像情報を得ることが前提だが、必要最小限の線量でよい画像を得ることが現場で競われておるようだな。
指針作りはどうしたらよいのかな?
同じような性格の医療機関でも病床あたりのポータブル検査数は大きく異なり、
ポータブル検査の適用そのものが医療機関で大きく異なっている実状にあるようだ。
病院のつくりが効いているのかなあ。
人間関係で決まっているという話もあるみたい。
まずは、ポータブル検査はどのような場合に行って、
それぞれのスタッフがどのような役割を担うかを率直に話し合って決めてはどうだろうか。
それすら決まらないのであれば、そこから先の話をきちんとするのは難しいんじゃないかな。
どうでもよいリスクにこだわっても仕方がないと思うけど、その観点ではどうなの?
年間、10μSv程度だと、例えちょっとの工夫でさらに線量が減るとしても、そのような対策を考えることそのものの意義がとっても乏しい。
病棟勤務しているスタッフに対して、月1回のポータブル検査だと2mの距離で年間の線量が10μSvに届かないことを示して、それ以上の対策は特に積極的に推奨しない(必要がない)ということを放射線部から示してはどうかな。
その提案にどう答えるかで放射線部がどの程度信頼されているかが計測できそうね。
今度の看護学会のネタにしようかしら。
(*)Ono K, Akahane K, Aota T, Hada M, Takano Y, Kai M, Kusama T.Neonatal doses from X ray examinations by birth weight in a neonatal intensive care unit.Radiat Prot Dosimetry. 2003;103(2):155-62.
Q.成人した自閉症の子を持つ精神科医です。
小児科にローテイト中の研修医の時に、妊娠数週時に病院で当直していて、保育器の中のbabyの症状が悪化したので、X線検査が必要になり、上司の医師に命令され、その時少し症状を感じていた自分の体の事を言い出せないまま、防具を掛けてその医師と二人がかりでX線を撮りました。
1,000gの未熟児の胸の写真を撮る線量なので小さいに違いないものの、
防具をしているとはいえ、こんな近くで放射線を浴びるなんて、大変な事だったのではないかと、妊娠が分かって冷や汗かきました。
その1週間後にも同じようなエピソードがありました。
ウィークデーの日勤帯でしたので、診療放射線技師が勤務しており、
X線の検査のオーダーすると、昼休みの時間帯に診療放射線技師がNICUまで来て、レントゲンを撮ってくれるのですが、業務が多忙だったので、
技師さんが来ているのに気がつかず、無防具で機械から5mくらいまで近づいてしまって、「ピンポーン」(レントゲンを撮ったよ、という機械の音)に気づき、しまったと思いました。
技師さんも、困るナーという感じで顔をしかめていました。
この撮影条件も、一回目の被ばくの時と同じ条件なので、線量は小さいと思うのですが、
その後、子どもに何かがあると、つい妊娠中の事と結びつけて自分を責めてしまいます。
教えていただきたいのは、上記のような状態で受けた線量が5週や7−8週の胎児に与えるリスクは、どのくらいかという事です。
X線が自閉症のリスクになるかは定説はないかと思いますが、浴びた線量の危険度をよく知らぬまま日々の生活に追われ今日まで来てしまいました。
何となく、このことを分からずじまいにしておかないで、専門家の意見を聞いて、正しい認識を持ちたいです。
ざっくりしたおおまかな計算でも結構ですから、およその事でも良いので、お教え下さると助かります。
A.
妊娠中や新生児の被ばくは、比較的お問い合わせが多いこともあり、放射線の量のデータはよくとられています。
NICUでのBabygram radiographで使われる放射線の量は、babyに入射する位置で多めに見積もっても2mGy程度(空気の吸収線量ですが、体での吸収線量と見なしても大きな違いはありません)と少ないとされています(通常はもっと少なく、この1/10程度)。
ELBWIだと通常は、0.15mGy程度で多くてもその5倍程度とごくごくわずかです。
一方、babyから散乱して介助者に放射線の量は、比較的エネルギーが小さいエックス線が用いられることもあって少なく、5m程度離れると、上の線量の 2E-05に過ぎません。
従って、最大の見積もりでも、20nGyに過ぎません。
普段の生活で受ける外部被ばくの線量率は、今、私の手元の線量計で60nGy/h程度なので、20分間程度の線量分になります。
これは、労働者を保護するための線量計では検知できないレベルです(このレベルでも放射線管理用の測定器では検出でき、医療機関では、定期的に確認され放射線管理されています)。
また、介助時の線量は、腹部が防護衣をされているとのことですので、過大に見積もっても2μGyに過ぎません(防護衣がなくても、その10倍程度なので、よほど繰り返して介助業務に従事しない限りは大きな線量にはなりません)。
曝露する量としては極めて小さいので、各事例でのリスクの評価には至らないレベルです。
Q.第二子の妊娠を考えている看護師です。
RI検査をした患者さんの病棟での介助業務に夫が心配しています。
上司が心配ないと言っていると伝えていますが、納得していないようです。
どうすればよいですか?
A.その業務でどの程度の放射線を受けるかは放射線部がきちんと評価しています。
患者さんに投与する放射性物質の量は厳格に制御されており、その周囲に滞在することによる線量もよくわかっています。
管理区域から退出する時の患者さんの周囲の線量率は十分に低くなっているので、放射線安全教育での注意を守ればリスクは十分に小さいです。
データは放射線安全の研修の資料にあるはずなので、それを夫に見せるのはいかがでしょうか。
院内のルールはみんなで納得して決めるとよいでしょう。
簡単な計算例
実効線量率定数は、1MBqあたりの線源から距離1mでの実効線量率[µSv/h]を示す。
| 核種 | 実効線量率定数 |
|---|---|
| 99mTc | 0.0181 |
| 201Tl | 0.0142 |
出典はアイソトープ手帳
例えば心筋シンチグラフィで200MBqの201Tlが患者さんに投与されているとすると、
患者さんから1mの距離での線量率は、
0.0142[µSv/h m2 MBq-1]×200[MBq]÷1[m2 ]=2.8[µSv/h]
となる。
この線量率は、地上での自然放射線レベルの40倍程度で、飛行中の航空機内程度。
1時間の滞在で3[μSv]程度となる。
年間で自然に受ける放射線量は2.4[mSv]程度なので、線量の増加は1%程度。
放射線施設で生成されるオゾンは安全ですか?
2010 年 2 月 14 日Q.放射線で空気中に生成されるラジカルは危なくないのですか?
空気中に生成される物質
空気中には放射化物以外にもオゾンや二酸化窒素が生成されます。
これまでの安全管理の考え方
医療用電子加速器でのオゾンや窒素酸化物生成の管理に関しては、30MeV以下の電子線であれば特別な配慮は不要とされてきました[1]。
生成されるオゾン濃度の推計
改めて生成されるオゾン濃度を推計してみましょう。
加速器でのオゾン生成のG値(単位電離エネルギー(100[eV])あたりの生成量)は、6 molecule/100 eV [2]7.4-10.3molecule/100eV [3]、とされています。
装置の線量率は、治療用加速器のビーム内を2.8Gy/minとし、照射時間は、全国の医療機関の使用承認時間の中央値104時間/3月であることから、1日照射時間を96minとすると、その空気カーマは、268.8Gyになります。
空気の密度は、1.2kg/m3ですから、G valueを 8 molecule/100 eVとすると、生成オゾン濃度は、1.3E+23 molecule/m3となります。
従って、加速器運転中のオゾン生成率は52μl/m3/minになります。
運転時間比を0.2とすると、平均のオゾン生成率は10μl/m3/minになります。
ここで、換気回数を10回/1時間とし、オゾンの分解時間を5時間とすると、オゾン除去(拡散+分解)実効時間は約6分となることから、ビーム内のオゾン濃度の定常値は60ppmとなります。室内全体を考えると、ビーム外の生成量は3桁以上低いため、0.1ppmは超えないと考えられます。
参考情報
事故事例
四本圭一「オペレーターの心得?」Isotope News 〔No.653〕2008年 9月号
拡散サンプラーを用いたオゾン測定法
Uchiyama, S.; Otsubo, Y. Simultaneous Determination of Ozone and Carbonyls Using trans-1,2-Bis(4-pyridyl)ethylene as an Ozone Scrubber for 2,4-Dinitrophenylhydrazine- Impregnated Silica Cartridge Analytical Chemistry 2008, 80, 3285-3290.
家庭用オゾン発生装置
[1]医療用加速器使用室遮蔽計算指針委員会. 医療用高エネルギー加速器使用室に対する遮蔽計算指針,日医放会誌、28,622−634,1968
[2]http://www-ps.kek.jp/jhf-np/hadronbeam/technical_report/hblproc/node87.html
[3] http://www.slac.stanford.edu/cgi-wrap/getdoc/slac-pub-2470.pdf
気体の放射化物のリスクは大きいですか?
2010 年 2 月 14 日Q.中性子で気体も放射化すると思うのですが、危なくないのですか?
空気の放射化
加速器の運転に伴い発生する中性子により、空気が放射化されます。空気の放射化は内部被ばくや外部被ばくを引き起こします(サブマージョンによる曝露もある)。
そのリスクは法令に基づき制御することが求められることから、空気中および排気中の濃度限度を超えないように管理方法をあらかじめ決めておく必要があります。
空気中に生成される放射化核種による放射線の線量の評価
そこで、医療用加速器の使用に伴う中性子による空気中の放射化アルゴンの生成とその被ばくの放射線管理ルールの整備の必要性を明らかにするために、空気中に生成される放射化核種による放射線の線量の評価を試みました。
安全評価の対象者
・加速器施設の作業従事者や一般職員
・加速器を設置している施設に隣接している公衆
Ar-41の生成量評価
加速器使用に伴う空気の放射化で考慮すべき核種は、既存の放射線管理マニュアルに記載があります 。
エネルギーや光核反応を起こす核種などに依存しますが、生成されうる主な核種は、
N-14(n,2n)N-13
O-16(n,2n)O-15
O-16(n,p)N-16
Ar-40(n,α)S-37
Ar-40(n,p)Cl-40
Ar-40(n,γ)Ar-41
が考えられます(高いエネルギーの治療用加速器のビーム内では光核反応による生成も相対的には大きくなる)。
医療用小型加速器の場合に、この中で線量に最も寄与するのは、アルゴンの放射化です。
空気中のアルゴンは(n,γ)反応により放射性のAr-41となります。
空気を容器に密封するだけで小型サイクロトロンのターゲット付近ではAr-41が検出されます。
加速器室のエリアモニタを解析すると、Ar-41生成量を推計することができます。
Ar-41の空気中濃度限度は、作業環境と一般環境のそれぞれに対し定められています。作業環境で1×10-1 [Bq/cm3]で、一般環境では5×10-4 [Bq/cm3]です。
作業環境のAr-41は作業従事者の内部被ばくに関係し、それを一般環境に排気することにより一般職員や公衆が曝露します。
文献をもとにした検討
医療用小型加速器の使用に伴って発生するAr-41の濃度を測定し、濃度限度との比較を行っている発表 [1], [2] を検討しました。ターゲット付近では、0.62×10-1Bq/cm3であったとされます。これでも、作業環境の濃度は下回っていますが、排気の基準に比べると120倍程度になっています。また、ターゲット側面から1 m 離れた場所では、室内濃度限度に対しては0.07ですが排気の基準に比べると14倍程度になっています。小型サイクロトロン運転室内では排気濃度限度の10倍程度のAr-41が検出されることがあります。しかし、排気中の濃度は十分に濃度限度を下回ります。
また、アルゴンを400mmHg封入した容器を用いるとあらゆる加速器で空気中のAr-41が検出できるとされていますが、治療用リニアックでは1Gy中、中性子による線量は、ビーム中心で2.5mSv、照射野の端から20cmで0.55mSv、50cmで0.37mSv、50cmで0.22mSvとわずかであり(もっとも中性子の線量は、条件、加速器等による異なる)、ビーム中心で中性子数は4.7×105/cm2に過ぎず、空気の放射化は無視できます。
なお、この文献では、この論文ではフィルターでAr-41が除去できるように記載されていますが、それは妥当ではないと思われました。
計算による検討
空気の放射化による空中放射能濃度は、次式により導けます 。
R = λ / (λ+α) * N Φ σ[ 1 – exp { - (λ+ α) t } ]
R : 空中放射能濃度 ( Bq/cm3 )
λ : 崩壊定数 ( min -1)
α : 室内空気排出率 ( min -1 )
N : 原子密度 ( atoms cm -3 )
Φ : 中性子束密度 (n cm -2 sec -1 )
σ : 反応断面積 ( cm2 atom -1 )
室内空気排出率は換気要因で決定されます。
濃度を低下させるには換気が有効です。
上述の資料では排気の方法のひとつとして、連続強制排気が挙げられています。
例えば1時間に10回空気を入れ換えるとすると、濃度は1/10に低下させることができると考えられます。
また排気をする前にクローズドの状態で加速器の運転後にAr-41を減衰させた後、排気をする方法も記述されています。
例えば、午前8時に運転が終わった場合には、翌日の午前5時には、濃度は3×10-4 程度に減衰します。
公衆への影響
排気されたAr-41の公衆への影響は、集団被ばく線量を計算することにより評価できます。
集団被ばく線量は、大気拡散モデルなどを用い、空気中の濃度を求め、それを個人の線量に換算し、それに曝露人口を掛けることで計算できます。
その結果から、大型加速器施設に比べると、医療用ベビーサイクロトロンから環境に放出されるAr-41の寄与が小さいことが理解できます。
もっとも、大型加速器施設から排出されるAr-41は厳格に制御されており、公衆のリスクを過度に上昇させることは全くないことは言うまでもありません。

| 濃度[pSv/y] | 集団線量[Sv・人/y] | |
|---|---|---|
| 江戸川区 | 7.3E-01 | 4.6E-07 |
| 東京都 | 7.6E-02 | 9.8E-07 |
| 加速器施設 | 主要加速器 | 集団実効線量[Sv・人/y] |
|---|---|---|
| 東北大学原子核理学研究施設 | 電子リニアック | 3.5×10-3 |
| 高エネルギー物理学研究所 | 電子リニアック | 9.6×10-3 |
| 東京大学原子核研究所 | サイクロトロン | 6.4×10-3 |









